しろくろ

白く見せてるけど実は黒い、アラサー女の心境を赤裸々に描くブログ。......どうか身内には見つかりませんように。

毒を吐く女

学生時代の友人と最近交流が増えた。

 

当初は「何年経っても当時のような関係に戻れる」と喜んでいたけれど、

それぞれ大人になったんだと実感する出来事もしばしば。

 

良いことだけじゃないのが悲しい・・・・。

 

何が一番しんどいって、聞かされる話がディープすぎる。

恋愛事情。仕事に対する不満。

家族の介護問題。

 

テーマは至って一般的だけれど、 

「その話、私にする?」

って引いてしまうほど腹黒さ全開。

 

現在フリーの彼女にとって、私が彼氏みたいなポジションになっちゃってるのかな?

 

確かに私も夫に見せる自分はだいぶ黒い。

冷酷で自己中で排他的で人を見下している。

 

けど、それはあくまでも

恋愛感情や家族愛がある間柄だから見せているものであって、

身内だから許される表現なのであって、

 

友人として、対外的な言葉として聞いている私としては、

「たとえ思ってても言わないでしょ。」と

彼女の人間性に対する評価がダダ下がり。

 

特に気分が悪いのは家族の話。

「要介護の家族が夜中に体調悪化してブザーを鳴らしたせいで、

一晩中対応させられた。

あんな状態(要介護5)になってまで生きたい気持ちがわからない。

私だったら家族に迷惑かけたくないから死ぬ道を選ぶ。

"あの人"は自分が苦しみから逃れるために、

今後何十年も家族に介護させる道を選択をした。

介護する家族の負担を考えてほしい。

"あの人"の存在が足かせになっている。

家族に要介護者がいるせいで、結婚してくれる人がいない。

死にゆく人のせいで、人生これからの私の未来を潰されたくない。」

 

30歳独身で家族の介護が日常に舞い降りてきたら、

これが正直な気持ちなのかな。

 

大病を患って寝たきりに近い状態を味わった私としては、

彼女ではなく"あの人"に感情移入してしまう。

 

家族に「死んでくれればよかったのに」と思われていると知ったら、

悲しみや孤独感に打ちひしがれ、

愛する家族にそんな感情を抱かせてしまった自分を呪い、

一生分の涙を流した後に、

笑顔で死を選ぶと思う。

  

 

ピンピンコロリを誰だって望んでる。

けど病気は思いがけずやってくる。

家族に迷惑をかけたくないと思っていても、

日々悪化していく体に焦りと不安が押し寄せて、

家族との時間だけが心の支えになる。

 

死を受け入れようと思っても、

実際に死が目の前に迫ってくる瞬間は

苦しくて怖くて助けを乞わずにはいられない。

 

辛くて、いっそ楽になりたいと思っても、

身を削って看病してくれる家族を思うと、

その苦労を無駄にするようで、命を粗末にできない気持ちにもなった。

 

だから、助けを求め生き延びたことを非難する言葉を聞くとつらい。

いくら介護疲れした家族だからって、言って良い事と悪いことがあるんじゃないのか。

・・・・・・・いや、結局私は"する側"になったことがないから、

家族に対してそこまで冷酷になってしまう、

そこまで追い込まれてしまう気持ちが理解できてないのかな。

だから良いとか悪いとか、許されるとか権利とか、

そんなことを言及する資格もないのかもしれない。

 

だとしても、家族に対してそう思っていることを、

平然と(のように見えるだけだけど)

罪悪感もなく(のように見えるだけだけど)

話せてしまう彼女に抵抗を感じる。

 

この子って、そんなに冷たい自己中な子だったんだなって。

 

”あの人”の介護が本当に迷惑だと思うなら、

はっきり言ってあげればいいのに。

そしたらきっと彼女が望むように

「家族の将来のために、今苦しんで死ぬ道」を選んでくれるだろう。

 

けどきっと、彼女が私に話してることは結論ではなくて、

家族には言えないドロドロした気持ちを吐き出しながら、

自分と家族を振り返り、自分の気持ちを再確認し、

ガス抜きをしているってことなんだろう。

 

きっと、今日も家に帰って

笑顔で"あの人"の世話をするのだろう。